メキシコの台所に伝わる言い伝え


メキシコ料理にかけるサルサ
画像:メキシコ料理にかけるサルサ(Salsas mexicanas by German matus / CC BY-SA 4.0)

1. 怒っているとサルサが激辛になる

メキシコ料理の要であるサルサの味は、人によって好みがわかれるところです。辛ければいいというものでもありません。サルサがとても辛かったとき、メキシコ人はよく「このサルサを作ったとき、怒ってたんだね」と言います。本当のところは、辛さの原因は怒っていたからではなく、トウガラシの種を取り除かなかったからです。

2. ホットチョコレートがうまく泡立ったら結婚できる

料理を作るのは体力仕事。昔ながらの調理道具を使う場合はなおさらです。例えば、先スペイン時代からメキシコで用いられてきた、飲み物を泡立てるための道具モリニージョ。モリニージョでホットチョコレートを泡立てたことがある人ならわかると思いますが、本当に重労働です。そして、ちゃんと泡立てることができたら、「もう結婚できるね」と言われます。メキシコでは、料理ができれば結婚する準備はできていると考えられてきたためです。

3. 複数の人がモーレを混ぜると分離してしまう

モーレには、地方によって、または料理する人によって、十人十色のレシピがあります。でも、ひとつ共通することは、「モーレをかき混ぜる人は一人。複数の人が混ぜると分離してしまう」ということです。また、かき混ぜるときは時計回りにかき混ぜるのがよく、反対回りに混ぜると分離するとも言われています。おいしいモーレを作るには辛抱強さと熟練の技が必要であることから、このような言い伝えができたようです。

4. 運気がいいときに卵白を泡立てるとツノがたつ

卵白を泡立てるとき、うまくいくときは簡単にツノがたつのに、ダメなときは絶望的なほど泡立たないことがあります。メキシコでは、うまくツノが立たないのは運気が悪いからだと言われています。卵白をツノがたつまで泡立てるには、いらいらせず、気長に一定のリズムで泡立て続けなければならないからです。

5. 機嫌が悪いときにタマレスを作るとふんわり膨らまない

タマレス作りにもやはり言い伝えがあります。タマレスがふんわり膨らむためには、機嫌のいいときに作らなければならないというものです。要は楽しみながら作ることが大切で、そうすればうっかり失敗することはないということです。また、タマレスを蒸しているときは鍋の耳をふさいでおかなければならない。そうしないと、タマレスがうわさ話を盗み聞きして、いつまでも蒸し上がらないとも言われています。タマレスを蒸すときには蒸気が逃げないようにすることが大切であるため、このように言われるようになりました。

6. お腹をすかせた人がいると、トルティージャがよく膨らむ

手作りトルティージャが焼けてよく膨らんだところを想像してください。嫌いな人なんていませんよね。メキシコでは、「トルティージャがよく膨らむのは、お腹をすかせた人が待っているからだ」と言われています。その意味は、あなたがトルティージャをとても上手に作れて、みんなが食べたがっているということ。そして、あなたは結婚する準備ができている、ということです。

(メヒコデスコノシードより)

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