コロナの時代のもうひとつの課題
イベロアメリカ大学教育学部が行った調査によると、小中高校生のジャンクフードの摂取、テレビゲームをする時間、テレビを見る時間が、コロナ自粛の期間中に大幅に増加した。ジャンクフードの摂取は小学生で24%、中学生で30%、高校生で44%増加した。中高生については、カフェインの摂取とSNSの利用の増加も報告されており、カフェインは中学生で48%、高校生で55%増加した。SNSの利用は中学生で49%、高校生で65%増加した。増加の原因は、子供たちが社会的活動の場である学校に行けなかったことであり、調査結果は、子供たちのメンタルが良くない状態にあることを示している。
一方、世界保健機構は先月、コロナ禍がメンタルに及ぼす影響ついての新たな情報を発表した。発表によると、不安や抑うつの症状は、世界全体で25%以上増加した。感染が拡大した地域や行動制限が実施された地域で最も増加し、とりわけ女性へのダメージが大きかった。ひどいうつ症状を訴えるケースは、2020年だけで27.6%増加した。さらに悪いことに、コロナ禍であることが原因で、精神科の医療を受診する機会が大幅に減少した。また、医療従事者の疲労、人々の孤独感、PCR検査陽性の結果などによって、自殺を考える人が増加した。
コロナ禍が収束していき、外出自粛やソーシャルディスタンスなどの措置が撤廃され、日常が戻ってくれば、これらのメンタルの問題もいくらかは改善すると思われるが、自粛期間に生じたメンタル不調の多くは、コロナが収束した途端に勝手に治るわけではない。そのため、行政と社会がこの問題の解決のためにしっかりと努力していかなければならない。また、ジャンクフードの摂取の増加については、ジャンクフードに大量に含まれる砂糖には中毒性があることから、コロナ禍以前の健康的な食生活を取り戻すことは、個人の意志の力だけでできることではなく、教育とサポートが必要になる。このサポートは、メキシコのように若年層の肥満と糖尿病の割合が非常に高い国においては、とりわけ重要になってくる。
メンタル不調の増加について、今後は国による対策が必要であるとともに、人々の考え方を変えていく必要もある。というのも、これまでは、メンタルの病気は極めてパーソナルな問題であるから、公衆衛生の優先課題として扱うのは不適切だと考えられてきたからだ。その意味で、先日、公衆衛生法が改正され、精神科単科病院の入院病床の廃止や、精神科および身体科医療におけるインフォームド・コンセントの概念を定めた法案が下院議会で可決されたことは、正しい方向への第一歩であると、専門家は評価している。
コロナ禍や自粛、ソーシャルディスタンスなどの影響は、いつまで続くかわからない。わかっていることはコロナ禍で発生した様々なメンタルの問題に、最も有効な対策を取っていく必要があるということだ。
(ラホルナーダ)