パナセア(万能薬)の語源

(Potion Bottles by Angela Andriot / CC BY-SA 3.0)
どんな病気も治す万能薬があったらいいですよね。
スペイン語で万能薬を意味するpanaceaパナセアという言葉は、ギリシャ語のpanakeiaパナケイアという言葉に由来しています。パナケイアと聞いて連想するのは、いやしの女神Panaceaパナケイア。「すべて」を意味するpanと、「治療」を意味するakosを組み合わせた言葉であるpanakesパナケス(すべてをいやすもの)に由来する名前を持つ女神です。
ギリシャ神話では、パナケイアはアスクレピオスとエピオネの娘とされています。アスクレピオスはギリシャ神話に登場する名医で、薬と治療をつかさどる神でした。パナケイアは兄弟(イアーソー、ヒュギエイア、マカーオーン、ポダレイリオス)と共に、父親が行う難しい治療や薬づくりを手伝っていました。そして、このパナケイアの名前が、後にラテン語でpanaceaパナセアとなり、「汎用的な治療薬」を意味する言葉となりました。

画像:1828年のスウェイン社製万能薬(パナセア)のボトルの広告
つまり、パナセアとは、すべての病気を治し永遠の命を与える、神話上の治療薬のことを指しています。(パンゲア大陸の何かとか、パン屋さんの何かとかではありませんよ!)ですから、卑金属を金に変えたり様々な眉唾物の発明を追い求めていた錬金術師たちは、長い間このパナセアを探し続けました。それも、単に永遠の若さを与えたりあらゆる病気を治す薬としてだけでなく、絶対確実なポーションとか神の霊薬というレベルの、真の救済をもたらすものとして探し求められていました。
いにしえの時代からずっと求められてきたパナセア。もし本当に存在していれば、飢餓や水不足、地球温暖化など、現代の世界で問題になっている多くのことを解決できたでしょう。
ああ、もしも! もしもパナセアの乳液や錠剤やシロップのボトルが薬局に並んでいたら、夢のようではありませんか?
(アルガラビア)