トルティージャの生地「ニクスタマル」の作り方


ニクスタマルを作ることは、メキシコではとても大切な意味があります。それは、文明の歴史に触れる豊かな経験です。

様々な色のメキシコ在来種トウモロコシ
画像:様々な色のメキシコ在来種トウモロコシ(Maices nativos de méxico, Tlaxcala Mexico 2023 by Cacu / CC BY-SA 4.0)

 メキシコ人なら誰でも、トルティージャを食べたことがあります。でも、トルティージャの作り方を知っているメキシコ人は、どれくらいいるでしょう?

 まあ、たくさんいることはいるでしょう。トルティージャはメキシコの家庭で食べられてきた主食で、その作り方は何世代にもわたって受け継がれてきました。そこで質問ですが、あなたは自分の手でトルティージャを作ったことがありますか? 一からトルティージャを作ることは、私たちの歴史を真に体験すること。とてもすばらしい経験です。

 トルティージャ作りの第一歩は、トウモロコシの種をまくことです。トウモロコシの栽培期間は約8か月で、宗教行事のサイクルと密接なかかわりがあります。収穫後は乾燥・脱穀し、成分や手ざわりを変化させる錬金術のようなプロセスを経て、石臼ですりつぶしてトルティージャ用の生地になります。このプロセスを、ニクスタマリサシオン(ニクスタマルにする)といいます。

ニクスタマリサシオン後のトウモロコシ
画像:ニクスタマリサシオン後のトウモロコシ(Nixtamal de maíz nuevo by Jruizs2k / CC BY-SA 4.0)

ニクスタマリサシオンとは

 ニクスタマリサシオンとは、トウモロコシの粒を石灰と水で茹でることです。ニクスタマリサシオンはとてもシンプル、簡単、完璧な方法で、古代メソアメリカの時代に発明され、現代に受け継がれてきました。考古学者のヴィクトリア・ノベロによると、「塊状や粉末状の生石灰を水に溶かすと化学反応で沸騰します。この石灰水を茹で水に加えてトウモロコシを茹でると、薄皮がはがれて柔らかくなります。そのため、粒が水を吸って粘度が増し、石臼ですりつぶすと、でんぷんがペースト状になります」

 ニクスタマリサシオンのプロセスを経ることで、トウモロコシのたんぱく質が消化されやすくなります。また、ナイアシンも吸収されやすくなるため、ペラグラ(ニコチン酸欠乏症)を防ぎます。カルシウムも増加します。

ニクスタマルから作った手作りのトルティージャ
画像:ニクスタマルから作った手作りのトルティージャ

ニクスタマルから作ったトルティージャの方がいい?

 断然いいです! 第一に栄養があるし、おいしいし、そして何より、大切な意味があるからです。メキシコ在来種のトウモロコシからニクスタマルを作り、そのニクスタマルから作ったトルティージャを食べるということは、メキシコの最も古い文明の源に、ダイレクトにつながることを意味しています。また同時に、メキシコの農村を支援するサステイナブルな行動でもあるのです。

(マスデメヒコより)

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