LGBTの旗手:エクソティコなプロレスラーたち


メキシコのプロレス「ルチャ・リブレ」の世界は多様だ。いろいろなファンがいて、いろいろなレスラーがいる。強さと美貌の両方を売りにする男性レスラーだっているのだ。

マクシモ
画像:マクシモ(Máximo Sexy CMLL World Heavyweight Champion by ゾーヒョー / CC BY-SA 4.0)

 ルチャ・リブレの世界は多様だ。リングにはいろいろなタイプのレスラーが登場し、観客を魅了する。例えば、ヒーロー役の「テクニコ」、悪役の「ルド」、そして、変わり者を意味する「エクソティコ」もある。

 エクソティコのレスラーたちはLGBTキャラで、強くてエレガントな選手たちだ。しかし彼らは、ルチャ・リブレという男性優位主義的なスポーツの世界で、観客や興行主からの差別を受けたり、おもしろいだけの色物系レスラーとして扱われたりしてきた。

 エクソティコは、「男はこうあるべき」とか、「ゲイは弱い」などの古くからある偏見を覆す存在だ。また、試合では女性レスラーと男性レスラーが戦うことはないが、エクソティコの試合では、男性レスラー同士の試合なのに、女子的要素も楽しむことができる。

カサンドロ
画像:カサンドロ(Cassandro by vladimix / CC BY-SA 2.0)

エクソティコの誕生

 最初のエクソティコのレスラーは、1940年にデビューしたディジー・ガルデニア・デイビスだ。ディジー・ガルデニアは、ガルデニア(クチナシ)の花束を手に入場した。執事の服装をしたセコンドが付き従い、ディジーの衣装を整えたり香水を振りかけたりした。

 エクソティコのレスラーは、ディジーの後にも何人もいたが、エクソティコたちがリングの上で、多様なセクシュアリティを自由に表現できるようになったのは、1980年代以降のことだった。契機となったのはカサンドロの登場で、エクソティコのレスラーとして初めて、世界王座を獲得した。ほかにも、メイ・フラワーズ、ポルボ・デ・エストレージャスなどが、エクソティコのレスラーとして人気を集めた。現在、現役のエクソティコ・レスラーとして、ピンピネラ・エスカルラータ、マキシモ、マンバ、エストレージャ・ディビーナらが、メキシコのプロレス団体AAA(トリプレア)で戦っている。

ピンピネラ・エスカルラータ
画像:ピンピネラ・エスカルラータ(Pimpinela Escarlata in 2026 by Ferfive / CC BY-SA 4.0)

エクソティコの新世代スター

 もうひとつのプロレス団体CMLLでは、エクソティコのレスラーはマキシモやデマシアードなど少数だった。しかし最近、ドゥルセ・ガルデニアという、若くて強いエクソティコが現れた。これは、CMLLの長い歴史の中でも、衝撃的な出来事だった。

 ドゥルセ・ガルデニア(本名ハビエル・マルケス・ゴメス)は、コアウイラ州トレオン出身で、2019年6月にアレーナ・コリセオでデビューすると、瞬く間にファンの心をつかみ、一躍CMLLの人気レスラーになった。2020年1月にアレーナ・メヒコで行われたCMLLの元旦興行「シン・ピエダー」では、メインイベントで日本人レスラーのカワトサンと髪切りデスマッチを行った。ドゥルセ・ガルデニアが勝利し、カワトサンが坊主になった。今後の活躍が楽しみな、エクソティコの新スター誕生の瞬間だった。

(プブリメトロ)

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