テキーラ用のグラス「カバジート」の歴史


「カバジート」は、テキーラを飲むためのグラスです。メキシコではパーティーには欠かせないカバジートですが、特に独立記念日のある9月には大活躍します。カバジートの歴史をご紹介します。

カバジート
画像:カバジート

 「カバジート」は、人が集まるパーティーでは必ず使われる、テキーラを飲むためのショットグラスです。特に外国人にとっては、「テキーラはカバジートで飲むもの」という印象があります。ではなぜ、テキーラグラスを「カバジート」と呼ぶようになったのでしょう?

カバジートの由来

 メキシコ・テキーラ学院によると、カバジートの歴史は19世紀、大農園の農園主たちが、馬(カバージョ)に乗って自分のリュウゼツラン畑を見回った時代までさかのぼります。

 当時の農園主たちは、ひょうたんを2個(ひとつは水、もうひとつはテキーラを入れていました)と軽い食事を携帯して、馬(カバージョ)に乗って見回りを行っていました。そして、馬にまたがったまま、牛の角をくりぬいて磨いた容器にテキーラを注ぎ、一息に飲み干していました。そこから、その容器をカバジートと呼ぶようになりました。ですから、カバジートという名前からは、リュウゼツランの大農園と農園主のいた、メキシコ革命前後の時代が連想されます。

ガラスのカバジート

 現在のカバジートは、ガラス製のものが一般的で、円錐形の尖端を切り落として逆さまにしたような形をしています。グラスの底は、安定のために厚くなっていて、口の部分は底よりも広くなっています。スタンダードなカバジートは30ml用ですが、60mlのものもあります。この形のガラス製のカバジートが使用されるようになったのは1970年代の半ばごろですが、考案者はだれか、どこで作られたのかなどはわかっていません。しかし、テキーラの輸出が開始されると、ガラスのカバジートはまたたく間に広まり、世界中のガラス工場で作られるようになりました。

一息で飲み干す理由

 カバジートとテキーラには、おもしろい逸話があります。テキーラにレモンと塩を添えて一息で飲み干す飲み方は、1970年代にはじまりました。当時はテキーラの輸出が始まったばかりで多くの模造品が出回り、中には、産地がテキーラではないばかりか、原料がリュウゼツランでさえないものまで混ざっていました。偽物のテキーラは、本物のテキーラとは異なる不快な味がしたため、その味を消すためにレモンと塩とともに飲むようになったそうです。

 1974年にテキーラの原産地呼称制度を求める活動が始まり、低品質の模造品は姿を消しました。理論上は、レモンと塩で臭みを消しながらテキーラを飲む必要はなくなりましたが、その飲み方自体は「テキーラの飲み方」として定着し、今も続いています。

(メヒコデスコノシード)

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