メキシコのスペイン語「アオリータ」


スペイン語で「今」を意味するアオラ(ahora)に、示小接尾辞 "-ita" が付いたアオリータ(ahorita)。アオリータは、本来は「たった今、今すぐ」を意味する単語ですが、メキシコでは別の意味になります。ご注意ください!

 はじめてメキシコへ旅したとき、スペイン語もちゃんと話せるから何も問題はないだろうと… ちょっと過信していました。

 でも、メキシコに着いていきなり耳にしたのは、今まで聞いたことのない時間の言い方。

 「それじゃ、荷物が『アオリータ』着くかどうか、『アオリータ』見てみて、それでどうなったか、『アオリータ』知らせてあげるから」

 「アオリータ」って…。なにそれ? どれくらいの長さの時間のこと?

 それから何年も何年もかかって、「アオリータ」の意味が6個ほどあることをつきとめました。

普通に「アオリータ」と言うとき

 未来の未確定の「いつか」までを指しているようです。いつまでかはわからない「いつか」ですが、「今すぐ」でないことは確かです。

「アオリィィータ」と長く伸ばして言うとき

 普通のアオリータよりも長い時間を表します。より一層、もっとずっと長い時間がかかるということです。

「アオリティータ」と、示小接尾辞 "-ita" を重ねて言うとき

 この場合は本当に、今すぐ何かが起こる、今すぐ何かをしてくれることを意味しています。

「アオリータ・ジェゴ」

 「アオリータ・ジェゴ」は、本来なら「今もう着くとこだよ」ですが、メキシコでは、一般的な「遅い」よりは遅く、大大大遅刻よりは早く着く、ということです。
(つまり、「アオリータ・ジェゴ」と言われたら、とてもとても長く待たなければなりません)

「アオリータ・ベンゴ」

 「アオリータ・ベンゴ」は、本来なら「今すぐ戻って来るね」ですが、メキシコでは、「未来のいつか、戻るね(=今は戻らない)」ということを意味しています。つまり、その場を立ち去るとき、「じゃあね」の意味で言う言葉です。
(ですから、相手を待ってはいけません)

婉曲表現としての「アオリータ」

例えば、道端でガムやアメを売る少年が「ガム買わない?」と言うと、通行人は「アオリータ」と答えます。この「アオリータ」は、「未来のいつか、買うよ(=今は買わない)」を意味するので、「いらない」の婉曲表現になります。

(ピクトライン)

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